・階段を上り下りできなかった中学生

Aさんは小学校中学年の頃、突然階段を上り下りすることができなくなりました。

原因は不明ですが、階段を下りることに恐怖心を感じるようになったそうです。小学生のときは、まだ体が小さかったので、先生がおんぶをしたりだっこをしたりして階段を上り下りしていました。
中学校に入学した後はエレベーターを利用して、学校生活を送っていました。
しかし、卒業後の進学先に通うためには、エレベーターがない駅を利用して通学することになるため、自力で階段を上り下りできることが必須でした。

 Aさんが中学2年生のとき、同僚の先生からヒーリングで改善できないかと相談を受けました。
その先生は腰痛持ちで、私のヒーリングで何度も痛みを取ったことがあるため、私に対して一定の信頼を置いていました。
そこで、Aさんの保護者の方からヒーリングの許可をいただき、学校の階段で上り下りのトレーニングを始めました。

一段ずつ・・

 Aさんは3段までなら階段を上り下りすることができましたが、
それ以上になると階段の上から見た景色に恐怖を感じるため、4段以上は上ることができませんでした。
階段に対するブロックを外すため、頭に手を当てて1~2分程度ヒーリングすることで、1段ずつ上がれるようにしました。
4段目まで上り下りできたら、ヒーリングをして次は5段目まで上り下りする、次は6段目までと、
このような階段トレーニングを地道に続けました。
Aさんは3年生の1学期が終わる頃には学校の階段をすべて上り下りできるようになりました。

駅の階段は別物

 夏休みになり、いよいよ駅の階段にチャレンジすることになりました。
当初、学校での経験があったので、すんなりと解決できると思っていました。
しかし、階段を上りきった後、反対側のホームに行くための通路を歩こうとしても、
足がすくんでしまい歩けないことが分かりました。
私たちにとっては普通の平地の通路ですが、Aさんにとっては線路をまたいだ空中にある通路という認識だったため、そこを歩くことは恐怖だったのです。

高校生活をエンジョイ

その恐怖心を解消するため、頭に手を当てヒーリングを施し、少しずつ通路を歩くトレーニングを行いました。
Aさんはこのようなトレーニングを数日間続け、2つの駅の階段を上り下りできるようになりました。
現在、Aさんは高校生になり、一人で通学しています。また、高校の階段も上り下りでき、高校生活を楽しんでいるそうです。